医療訴訟を防ぐ！クリニックが実践すべき5つの予防策

2024-05-16 2024-06-20

msdrスタッフ

医療訴訟は、医療機関にとって大きな負担となるだけでなく、医師やスタッフの精神的な負担も大きく、クリニックの評判にも影響を及ぼす可能性があります。

しかし、日頃から適切な対策を講じることで、医療訴訟のリスクを大幅に軽減することができます。今回は、医療訴訟を未然に防ぐための具体的な5つのポイントをご紹介します。

患者さんとのコミュニケーション不足は、医療訴訟に発展する大きな要因の一つです。診察中に電子カルテの入力に集中したり、患者さんの質問に曖昧な回答をすることは避け、常に患者さんの目線に立って、丁寧な対応を心がけましょう。

良好なコミュニケーションは、信頼関係の構築に不可欠です。信頼関係があれば、万が一の事態が発生した場合でも、患者さんは医療機関に対して寛容な態度を示してくれる可能性が高まります。

医師には、患者さんが治療を受けるか否かを判断するために必要な情報を説明する義務があります。これを「説明義務」または「インフォームドコンセント」と呼びます。

治療内容やリスク、代替治療の選択肢など、患者さんが理解できる言葉で丁寧に説明し、疑問点があれば解消するまで話し合いましょう。説明不足は、たとえ医療行為に問題がなくても、訴訟の原因となることがあります。

「すぐに良くなります」「心配ありません」といった安易な言葉は、患者さんに誤解を与え、後々トラブルに発展する可能性があります。

特に、重大な疾患の可能性がある場合は、慎重な言葉選びが重要です。検査結果が確定するまでは断定的な表現を避け、可能性のあるリスクや今後の見通しについて、正直かつ丁寧に説明しましょう。

カルテは、医療訴訟において重要な証拠となります。患者さんの症状や治療内容、説明内容、同意の有無などを詳細に記録しておくことが大切です。

カルテは、医療従事者間の情報共有にも役立ちます。詳細な記録を残すことで、チーム医療の質向上にもつながり、結果として医療過誤の防止にも貢献します。

医療事故が発生した場合、患者さんやご家族への謝罪は避けられません。しかし、謝罪の言葉は慎重に選ぶ必要があります。

「申し訳ございません」「ご期待に添えず申し訳ございません」など、結果に対する謝罪の気持ちを伝えることは大切ですが、「不適切でした」「ミスがありました」といった、法的責任を認めるような表現は避けましょう。

医療訴訟は、医療機関にとって大きなリスクですが、日頃から上記の5つのポイントに注意することで、そのリスクを大幅に軽減することができます。

患者さんとの信頼関係を築き、丁寧な説明と適切な記録を心がけることが、医療訴訟を未然に防ぐための第一歩です。

もし、医療訴訟に関するお悩みやご相談があれば、医療機関専門の弁護士にご相談ください。専門的な知識と経験に基づき、あなたをサポートいたします。